EVERGREEN

好きな人が物書きなもので、つい。

私とシングル。

 

初めて、同じシングルを3枚買った。

 

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いわゆる「全形態」。

二週間前予約したのは初回盤Aのみだったが、何が何でもこのシングルは買う、と思っていたので、昨日の私はなんの躊躇いもなく3枚のCDを持ってレジに並んだ。そのことに一番驚いているのは自分だった。

 

 

私は10年弱嵐のファンをやっているが、数年前まで「シングルを買う」という概念は持っていなかった。

「買いましょう!」という声なんて聞いたことがなかったし、そもそも彼らはごく当たり前のようにオリコンシングルチャートで1位を取る。そもそも、「シングルなんて」、半年くらい我慢すればアルバムに必ず収録される。アルバムは曲聴きたさに買うことが多かったので、そのときに取り込めればいいや、と思って買うことはなかった。もしカップリングが聞きたかったら、少し我慢してレンタルショップに出るのを待てばいい。友人に借りるという手だってあるし、中古で買うことだってできる。

 

私は学生だったこともあって、ライブDVDとアルバムを買うのに精一杯。シングルを買う、まして複数形態なんて、「お金持ちの大人がやること」と思っていた。

 

 

 

私がシングルを買うようになったのは、NEWSのファンになってからだ。

 

私はちょうどKAGUYAの時期にファンになったので、ファンとして初めて出会ったシングルは『Touch / ヒカリノシズク』だった。とにかく"ファン"として何かを買うということがしてみたくて、どの形態を買おうかワクワクしていた。シングルを買おうと思ったのは、(失礼だが)NEWSは毎年必ずリリースがあるわけではないし露出も多くないので、ここでお金を出してもやっていけるだろうと思ったからだ。スポットCMが流れ初めて、TouchのMVがどストライク(人生の好きなMVトップ5入り)だったので『Touch』を購入した。

 

次の日学校に行って、同じクラスの先輩NEWS担と話していると、「ヒカリノシズクもめっちゃ良かったよ!」と言われた。やっぱり2枚買うものなの?と聞いてみると、「リリースも多くないし、ここで買っとかないと」という話をされた。NEWSはオリコン連続1位の記録を持っていたが、そういう数値が世間では大きな指標となることも知った。そこで私は売り上げは説得力になるということ、そしてそれ以上に好きなものにお金をはらうことの意義に気づいた。

 

 

とはいえシングル、それも2枚目を買うと言うことに抵抗はあった。(だって1曲目は同じだし。)

 

どうしようかと考える頭に浮かんできたのは、FNS歌謡祭で披露されたときの記憶だった。4人なのに思いっきりセンターとわかるフォーメーションで真ん中に立ち、歌い出しを任された自担の姿。新米ファンのくせに、彼が堂々とセンターに立つ日が来るなんて…と感慨にふけっては誇らしくなった。原作、出演、主題歌という響き。彼の努力が実を結んで生まれたシングルなのだと思うと、どうしようもなく嬉しかった。このシングルは、彼を応援している者として1枚でも売り上げを伸ばしたい、と思った。一年間の総まとめであるアルバムと違って、シングルはピンポイント。その時の売り上げや反応が、きっとその後の活動に影響する。このシングルが売れて欲しい、私はこれにお金を払わなくちゃ。何万分の1かもしれないけど、それでも購入することで「好き」を伝えようと思った。

 

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その日私は「まだあるだろうか、どうか残っていますように」と願いながら前日と同じCDショップに行って、『ヒカリノシズク』を入手した。特典のクリアファイルもまだ残っていて、とても幸せな気持ちになった。それが初めて"応援するため"にCDを買った日だった。

 

 

それからは、できるだけ義務感を感じないようにしながら、「好き!」と思った曲に対してはお金を払うように心がけてきた。ずっと応援していた嵐も、初めて買ったシングルは『Touch』の頃に出た『復活LOVE』だ。

 

 

音楽配信サービスが当たり前になったこの時代にCDを買う醍醐味の一つは、手元に思い出が増えることだと思う。お金を持っていない学生にとってCD1枚は大きな買い物だし、大人になったらなったで、「CDを買う」って多分それほど日常的な買い物じゃない。私は持っているCDを買った時のことは全部鮮明に覚えていて、ときどきその思い出にはCD代以上の甘酸っぱさがあるな、なんて思ったりする。

 

昨日私が『BLUE』をフラゲしに行ったタワーレコードはコンサートのグッズ売り場かと思うほどレジに列ができていて、贔屓目に見て並んでいる人の5人に1人は手に『BLUE』を持っていた。その光景を見ていたらどうしようもなく嬉しくなって、涙目で会計を待つヤバい人みたいになってしまった。

こんなにたくさん用意してくれたのが嬉しくて、たくさんPOPやボードで飾りつけてくれたのが嬉しくて。言おうか言わまいか、迷惑じゃないかな?などと自意識の葛藤を起こした末、勇気を出して店員さんに「たくさん展開してくださってありがとうございます。」と伝えると、その店員さんはありがとうございますと笑ってくれた。

店を後にする前に、その店舗に置いてあるNEWS応援ノートにメッセージを書きに行くと、そのコーナーにいた女性がノートを手に取るところで、私がペンを出したのを見て(わざわざ青いペンを持参していったので)先にどうぞと譲ってくださった。CDを予約しにきた先々週見た時には心が痛いメッセージや悪ふざけのような中傷ばかりだったノートが、今は応援メッセージで埋まっていた。そのことについ舞い上がって、書き終わったノートを渡しながら「三形態買っちゃいました!」なんて言ってしまったけれど、その方は優しく微笑んでくれた。

 

今回もそんな嬉しい思い出ができた。

買いに行かなければ生まれない思い出だった。

 

 

少しでも多くの人に『BLUE』と出会ってほしい。1枚でも多く売れてほしい。でも、買い占めろ!なんて言うつもりは全くない。CDショップで「在庫全部ください!」って言うの、100万円降ってきたらやってみたい夢ではあるけど、私は身の丈にあった応援で十分だ。

 

ただ、今まで私のように「シングルなんて」って思っていた人が1枚買ってみる、いつもは初回盤しか買っていなかった人が通常盤も買ってみようと思うきっかけになればと思って、このブログを書いた。Twitterで#NEWS #BLUEの一大ムーブメントが巻き起こっているけれど、もっと気軽に、どこかに立ち寄った帰りでも、たまたま買い物に行った時でも、手にとって1枚買ってみてほしいと思う。CDを買うって、意外と楽しい。ちなみに『BLUE』はどの盤を買っても後悔させない最強シングルなので、シングルヴァージンの人こそこの機会にぜひ…と思っている。

 

 

 

 

 

 

 

さて、昨日のフラゲ日、『BLUE』はオリコンシングルチャートで一位をとった。

 

www.oricon.co.jp

今まで全然気にしていなかったのに、1位をとったら、やっぱり嬉しかった。

初動93,307枚の中のたった3枚かもしれない。

それでも、私にはこんなに輝いて見える。