EVERGREEN

好きな人が物書きなもので、つい。

17月の問わず語り

2020年の夏、緑と黄色と紫のレターセットを買った。
書こうとした言葉は「ごめんなさい」だった。
 
『CLOVER PROJECT』を終えて、NEWSの体制が変わることも発表され、賛否様々な反響をいただいた頃のことだ。「ありがとう」もあれば批判もあった。結果論でしかないことはわかっていたけれど、「4人でいて」というメッセージが「3人じゃダメ」と言う意味で伝わっているかもしれないと思ったら、結果論だからと切り捨ててしまうことはできなかった。しかし、自分が「ごめんなさい」を言ってしまうことは、何の解決にもならないとも思っていた。少なくともたくさんいただいた「ありがとう」を無碍にしてしまう気がしてTwitterでは言わなかった。
 
だから手紙にしたためようかと思った。
とはいえ、何をどう伝えればいいのだろう。だって、体制の変化という結果に関係なく、あのとき集まったたくさんの想いは、本当に純粋で切実な形ある「愛」だったのだ。4人に向けられた想いがあれだけあったことは、紛れもない事実だったのだ。それを顔も見えない自分がしゃしゃり出て行って「ごめん」と言うのは気持ち悪いなと思った。何より、企画に関する全ての責任は自分で取ると決めていたけれど、想いは参加してくれた人ひとりひとりのものであって、私が勝手に使っていいものではないのだ。
 
それに、「3人のNEWSを応援します」と自分の言葉で書けるほど気持ちの整理もついていなかった。きっとこれからもNEWSが好きだと思ってはいたけれど、私はカナリヤもビューティフルも全然聞けなくて、一人分の声が足りないことをずっと寂しく思っていたファンだった。
 
結局、おこがましいけれど、私というファンが3人になったNEWSとこれからも共に歩き続けることで贖罪を果たすしかないと思い、手紙を書くのもやめた。いつかこのレターセットを使うときには、「ごめんなさい」ではなく「ありがとう」と綴ろうと決めて。
 
 
 
 
 
それから一年が過ぎ、私は横アリでSTORYの初日を迎えた。
 
ずっと寂しかった。確実にリハーサルまでいたであろう人の影をそこかしこに感じる演出にも、聞こえないはずの声が聞こえる瞬間も、ピンク色の照明が灯ったときも、ずっと。4人のSTORYだった。それがありがたかった。NEWSが離別も物語の一部にしてくれたこと、STORY 2020のタイトルで続けてくれたことは愛でしかないと思った。やっと、自分の十字架に関係なく、「これからもNEWSが好き」だという確信を得た。
 
 
 
 
 
 
 
そして5月になった。
 
FCから届いた千秋楽のサプライズ企画のメール。「こんなことある?」と思った。あまりにも既視感のある企画内容だったから。そして今日を迎えて配信を見ながら、やっぱり「こんなことある?」と思った。だって映像とメッセージの流れる方向まで一緒なのだ。みんなの声の後ろに流れる音がピアノなのだ。そんな、そんなことある?
 
もちろん偶然かもしれない。グループ間に一席開けての座席だからペンライトで文字を作れないとか、コロナ禍でファンの歌声を聞かせられないとか、そういうことを鑑みた上で、歌声とメッセージに落ち着いただけかもしれない。
 
でも、もしかしたらCLOVER PROJECTを意識して、素敵な偶然を演出しようと思い立ってくれたのかもしれない。そしてそれは、あの企画に参加してくれたような4人のNEWSが心底大好きだった人たち、中でも手越くんのいないSTORYを見ることになかなか乗り気になれないような人たちにも、今回の配信を見て欲しかったからかもしれない。
 
どちらにせよ、企画としてチームNEWSが提示してきたものと、かつての自分のそれが一致したことには、すごく救われた心地がした。一年越しに答え合わせをして、NEWSとNEWSファンのかたちとして「間違ってないよ」って言われたような気がしたのだ。
 
それが私の自意識過剰だったとしても、それでも心からありがたかった。CLOVER PROJECTの後、何度か「3人に向けてもやってほしい」という声はいただいていたし、前述したような課題点をフォローするためにもできることなら実施したかったけれど、状況や作業コストを考えるとどうしても難しかった。そのできなかった第二弾を、チームNEWSが形にしてくれた。 「あの日届いた声」を「3人になった今も聞こえる声」として演出してくれた。
 
NEWSファンの歌声と、いつか見たようなメッセージの山と、映像を見る3人の表情を見ながら、ひとり、勝手に背負った十字架をおろしてもらえたことに救われて号泣した。NEWSを喜ばせたくて演出されたサプライズなのに、私という一人のファンもまた、心底救われてしまったのだ。守れなかったと言わせてしまったけれど、今日のサプライズがあったから、CLOVER PROJECTはこれからもNEWSとファンの歴史の一部でいられる気がしている。
 
今回のサプライズを企画してくれた方に、心から感謝しています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
今日でNEWSの4部作は幕を閉じた。
 
勇気を出してNEWSのファンクラブに入って、セキスイハイムスーパーアリーナのゲートをくぐった日を、今でも鮮明に覚えている。初めて買った緑色のアイテム、機械の音と煙の匂い、メインステージのNEVERLANDの文字。まさか汽車が出てくるなんて、まさか松明や旗を持って出てくるなんて、まさかスタトロが自分の目の前を走るなんて思わなくて、驚きしかなかったあの日。小山さんの右手と、うちわを見て笑ってくれた加藤さんの笑顔。その後に聞いた「美しい恋にするよ」の約束。
 
生まれて初めてのアリーナで3列目をご用意されて死ぬかと思ったEPCOTIA。二回目のライブもやっぱり緊張しすぎて開演前は友人の手を握ってた。TWINKLE STARの間奏で飛び散る加藤さんの汗まで見えたこと。加藤さんのうちわを持ってたのに増田さんが友人にエアーハイタッチしてくれたこと。たくさん降ってきたAVALONの桜と銀テープ。遠くのフロートにいる手越くんの背中がとっても小さくて天使みたいだったこと。その手越くんが「それでいいの?目指す場所へ行くと決めたんだろう」でこっちを見てくれて、夢を叶えようと心に決めたこと。
 
直前まで天候が不安定だったのに、ライブが始まったら雨が降らなかったStrawberry。時期が時期だったから、ビジュアルが天才的だった加藤さんのうちわの前にカウコンの4人のうちわを持ってたくさん声援を送った。飛田給はシンプルに遠かった。
 
初めて東京ドームでNEWSを見たENCORE。スタンドの着席シートで、加藤さんのつくった映像演出を余すところなく見れて楽しかった。外周は悲しみゾーンだったけど、惑星に乗って飛んでいる手越くんが頭上から満面の笑みで手を振ってくれてうれしかった。LVEの演出が天才だった。
 
初めてコンサートで遠征したWORLDISTA。真駒内で見た四銃士の加藤さんは絵画みたいだった。宮城公演ではその金剛山の目の前で、曲中に何度も目が合って、リフターが降りていくときに笑って手を降ってくれた加藤さんがめちゃくちゃ彼氏だった。NEWSでも大きいモニターやレーザーが導入されてて嬉しかった。オーラスの日にフォロワーさんと飲み会に行ったのも楽しい思い出。
 
横アリをご用意されて、不安と緊張の中迎えたSTORY。センター最前だった。今日ここで死ぬのかもしれないと思った。コンサートの演出にも不安はあったけれど、「There were four men.」とナレーションが流れた瞬間にこれからもNEWSが好きだと確信した。URでも「生きろ」でも耐えたけど、”男”が帰ってこなかったあたりからずっと泣いてて、クローバーのときにフェイスシールドが曇った。暗転したステージに立った加藤さんが上を見上げた瞬間にスポットライトの光が差した、あの象徴的なNEW STORYの始まりは絶対に忘れないと思う。
 
 
私とNEWSの旅も、NEVERLANDから始まった。
コンサートという特別な日にも、
ありふれた日常にも、
この5年間の日々のそこかしこに NEWSがいる。
 
その間に、私は大学生から社会人になって、
たくさんNEWSファンの友達ができて、
NEWSは4人から3人になって、
私はまだ寂しさの中にいるけれど、
「NEWSが好きだ」と胸を張って言える。
 
 
 
 
 
 
そんな私だっていつか、NEWSのファンを辞める日が来るかもしれない。
 
それは自分の変化かもしれないし、
見たいものがなくなったときかもしれないし、
NEWSがなくなったときかもしれない。
「ずっと」と言うのは願いみたいなもので、
永遠なんてないことは知っている。
 
 
 
それでも私の中で、この日々は「永遠」だろうと思うのです。
 
 
人生の中の決して短くはない時間、
NEWSというアイドルに現を抜かしていたことを、
彼等の歌や言葉が繋いでくれた日々があったことを、
友達とコンサートに行った日の思い出を、
そこで見た素晴らしいエンターテイメントを、
あの日会場で加藤さんが私を見つけてくれたことを、
喜びと悲しみでたくさん泣いたことを、
そして小さな夢が叶った奇跡を、
 
心が覚えている。
 
この先何度も思い出す。
 
NEWSと私のSTORY。
 
これからも、勝手にその物語を紡いでいきたいと思う。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
2020年夏、ファンレターは出せなかったけれど、
NEWSの影響で決めた大学の卒業論文に、NEWSを選んだ。
 
今も変わらない私の想いとして、この2020年の締め括りに、そのあとがきを記しておく。
 
 

好きになったときとNEWSのかたちは変わってしまったが、2020年6月という転換点は、例えるならシリーズ物で巻をまたいだところなのかもしれない。NEWSという物語に魅せられ、何年もそのストーリーに力をもらってきた私が、この先の展開を見ずして読者を辞めることなど、今更できるはずもないのだ。だから、これからも私は NEWSの読者であり続けるだろう。今はただ、いつかこの波乱に満ちた物語の行き着く先がハッピーエンドであることを願ってやまない。

 

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