EVERGREEN

好きな人が物書きなもので、つい。

『STORY』に落ち込み、『STORY』に救われる。

 

「凹むときには徹底的に落ちるところまで落ちることにしている」

というライフハックを教えてくれたのは加藤さんだったと思うのだけれど、もうどこで言ってたのかは思い出せない。いつしか自分もそうすることが多くなりました。落ちるところまで落ちて底まで行くと、大概悩んでいることがバカらしくなってくるものです。

 

どうかファンでいさせて - EVERGREEN

 

この世の終わりだ、くらいに思っていた昨日。

ファン心理をちょっとわかってほしい気持ちはあったけれど、文句を言ってNEWSを悲しませたいわけじゃない。「きっと加藤さんはわかってる」って縋るような気持ちになっても、それはそれで自分に都合のいい加藤シゲアキ像を作り出しているような気がしてしまって、申し訳ない。メールなんて絶対出したくない。加藤さんのラジオがクレーム処理室になるのは嫌だ。

 

…NEWSのこと大好きか????

 

めちゃくちゃ思い詰めていたこと、全部NEWSの話で、結局呆れるほどにNEWSが好きなことしか伝わってこなくて、自分で自分が可笑しくなってしまいました。

 

 

一方で、友人にはボロクソに言われました。

「いやただの文句じゃん」「ファンの定義とかなくない?」とめった刺し。

 

 

 

私にはあったのです。

 

「NEWSに対して100%肯定的にふるまう」というのが、私が決めたファンの定義でした。いろいろ(いろいろ)あったとき、絶対にファンを自称しながら本人たちを傷つけるような人にはなりたくないから、自分は常にすべてを肯定しなければならないと、そう決めていたのです。

(もちろん他の人に対しても同じだとは思っていません。勝手に自分に課したルールでした)

 

 

それ以降、奇跡的にずっとNEWSの活動も作品も100%「いいじゃん!」と思って受け取れてしまっていたから、よりによって今回の『STORY』というアルバムで少しでも引っかかりを覚えてしまったことにどうしていいかわからなくなってしまったんだと思います。

 

 

本来、アイドルのことと、楽曲という作品のことは、切り離して語られて然るべきです。たとえば「WORLDISTAそんなに好きでもないんだよね、EPCOTIAの方が好きだな」と言う意見に対して、「てめぇはファンじゃねぇ!」などと言い出す暴君はいないでしょう。そこはフラットに捉えていいはずだったのです。

 

でも今回、「ファンとNEWS」というメタな関係値を楽曲やプロジェクトに落とし込まれたことで、切り離して考えることが難しくなってしまった。全くそんなつもりじゃなかったのに、楽曲に対して思ったことが、まるでNEWSに対する否定のように思えてしまう。

NEWSが大好きだから、「ファンのみんなのために作った最高傑作です!」って言われたらこれまで以上にネガティブな感情が許されない気がしてしまう。既存の曲でも、『U R not alone』や『Love Story』がそんなに好きじゃなかったとして、それを発言するのはかなり憚られると思います。アルバム全体を通してそんな圧力を感じさせてしまいうること、それはこの『STORY』というアルバムが持つ最大のリスクかもしれません。

 

たとえるなら、めちゃくちゃ長い時間をかけて用意してくれたとわかっている恋人からのプレゼントが、そんなに嬉しいものじゃなかったときの絶望感というか。

 

 

 

実際には、対象のすべてを大好きでいるなんて不可能に近いことです。

もうちょっとみんな、好きなら好き、好きじゃないなら好きじゃない、と言っていいと思う。わたしはNEWSのことは大好きだけど、今回の声の使われ方には感動しない人間です。大事なのはそれを嫌味なく言うことと、そればかりに執着せずに、「いい」と思ったことをこそ発信していくことなんだと思います。

 

 

 

今までもこれからもずっと、わたしはただ「あなたの風になりたい」だけだったから。

 

 

 

 

 

 

 

 

ここで気づかれた方もいるかと思いますが、『STORY』開けました。

 

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あなたのために作ったアルバムだと言われたから、

アルバムで初めて、奮発して初回と通常の両方を予約していました。

きっと答えはずっとそこにありました。

 

 

受け取りに行ったコンビニの雑誌コーナーにまだ買えていなかったTV LIFEがあって、一緒に会計してもらいながらフラゲ日にタワーレコードの段ボールと表紙の雑誌買っていくなんて、絶対こいつNEWSファンだって思われてるじゃん…恥ずかしい……並び直して別のレジいけばよかった……」と思ったとき、相も変わらず自分をちゃんと「NEWSファン」だと思っている自分に気づけました。

 

昨日ずっと超えられないと思っていた境界線は、知らないうちになくなっていました。

 

 

 

家に帰るなり、とりあえず開いた歌詞カード。

一読してこぼれた言葉は「わたしの話やんけ」です。

「知らない誰かとNEWS」ではなく、「わたしとNEWS」の物語がそこにはありました。

 

 

昨日煩悶していたことについて今思うのは、『STORY』のファン参加型企画は、わたしたちファンのためのものではなく、むしろこのアルバムを世に送り出すためのものなのではないか、ということです。

もしもこのアルバムがファンクラブ限定発売で、私たちファンだけが聞くものだったら、この企画は不要だったと思います。初回限定盤のパッケージと歌詞カードを見ただけで、私たちはエモいと思えるから。

でも、今ファンではない人たちには、NEWSと私たちがどんな歴史を辿ってきたのかという知識がありません。普段どんな風に愛し合っているかという共通認識がありません。それでも「ファンから募集したものを使ってつくりました」と企画の説明があれば、通常盤のジャケットを見れば、なんとなく「ファンと一緒につくりあげたものだ」「この人たちはファンとの結びつきが強いグループなんだ」ということがわかる。そのための企画であり、「みんなでつくる物語」というコピーなのだと考えています。

 

『STORY』というアルバムはテーマからなにからあまりにも内向きすぎて、この人たちファンのことしか見てないのでは??なんて思ったりしますが、NEWSは多分「ファンのことしか見ていないアイドル」というのを自分たちのカラーとして真面目に売り出そうとしているんだと思います。

 

そう考えると、音楽番組についても、トークの時間があまり確保されていないMステや大型歌番組では歌唱力という武器が伝わる『SUPERSTAR』を披露し、バックグラウンドについて語れる番組、あるいは理解されている番組(少プレ)では『STAY WITH ME』を披露する、というように使い分けているのではないかと思うのです。

 

 

 

 

もし、わたしと同じように『STORY』に対して一抹の後ろめたさや悲しさを感じている人がいたら、とりあえず『STORY』を開いてみることをお勧めします。

 

 

まだフラゲできていない人は、はやくあなただけの『STORY』を迎えに行ってあげてください。あなたの『STORY』です。あなただけの『STORY』が待ってます。

 

 

 

わたしのような面倒臭い人間が「選ばれる/選ばれない」でメンタルボロ雑巾になるリスクや、ある種の同調圧力を与えてしまうリスクを負ってまで、NEWSが届けたいメッセージはこれだったんだと思えます。「後悔させないから」というだけあります。 

 

 

これから『STORY』をちゃんと聞きます。

大好きなNEWSがくれるものは、多少の好き嫌い問わず余すところなく受け取りたいので、やっぱりわたしは「ファン」としてSTORYを楽しみます。ライナーノーツも書くし、セトリ予想もしたい。

 

なぜなら、わたしの葛藤も含めて、わたしだけの『STORY』だからです。