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好きな人が物書きなもので、つい。

寝ずに考えた私的ヒロイン相関図2020

 
 
「ヒロイン相関図って知ってる?」
 
 
 
きっかけはシンメが家に泊まりにきていた夜のそんな一言でした。時刻は深夜2時。深夜テンションを引き起こすなにかしらのホルモンと妄想に使う細胞が最も活発に活動している時間。相葉雅紀の嫁になりたい」「職場の二宮先輩に働きすぎって怒られたい」「二宮くんはゲームのフレンドでもいい」「近所に住みたい」「松本潤とバレンタインについて」「一個上の生徒会長の櫻井先輩」………。
 
溢れる妄想は止まるところを知らず、気づいた時には鳥の声。
(私とシゲくんがなかなか交際に至らなかったせいでそれだけで1時間以上かかった)
 
 
 
 
というわけで、どんなに遅れていても流行には乗ったが勝ち!!!!!!
マジで寝ずに考えた私的ヒロイン相関図2020(NEWS編)です、お納めください。
 

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なお、わたしの顔面はショートカットの長澤まさみであることとします。
 
 
 
 
 
 
 
 
サークルの同期:加藤シゲアキ
 
シゲとの出会いは、所属する写真サークルの新歓だった。大学に入学してすぐによくある大人数での新歓コンパ。特別馴染めなかったわけでもないけど、時間の経過とともに盛り上がる飲み会のテンションについていけるほど元気でもなかった私は、いわゆる大座敷の”壁際族”として少人数で親交を深めていて、そのうちの一人がシゲだった。「加藤くんは写真以外の趣味とかあるの?」「シゲでいいよ(笑)う〜ん、割と多いんだよね、映画も好きだし音楽も好きだし」最初はそんな感じで、壁際族なのに意外とコミュ障じゃないんだな、って思ったのを覚えている。そこから今期見てるアニメの話とか、好きな映画の話で意気投合するのに時間はかからなかった。
 
恐ろしいことに、それから学部は違うのに大学で一番顔を合わせている友達になり、出会ってから一年が経過しようとしている今も、くだらないLINEは途切れたことがない。新しく買ったスタンプを使いたいがために送りつけてみたり、最近ハマっているというアーティストの情報が「聞いて」って送られてきたり、Twitterで見た面白いネタを送ったり、「2限寝坊した😭」って送ったら「やってんな〜w」って返ってくるだけの居心地がいい「友達」。
 
一番会っていると書いたのは、サークルの活動でも定期的に会うくせに、月2くらいのハイペースで二人でごはんに行ったり映画見に行ったり(ライブにも行ったり)しているからだ。シゲが謎の人見知りから料理にハマったと聞いてからは、どこかに遊びに行くんじゃなくて一人暮らしのシゲの家に上がり込んで映画を見たりすることも増えた。「お腹すいた!ご飯食べたいです!」って言ったらめっちゃ美味しいカルボナーラとかカレー出てきたりする加藤家の居心地は私の中で三ツ星ホテル並みである。この間、「なんでこんな料理までできるのにモテないんだろうね??」って言ったら「お前それブーメランだからな」って言われた。あ〜〜聞こえない聞こえない。
 
とまあ、こんだけ仲がよければサークルの仲間に茶化されたりはもちろんしていた。その度に本心から「マジでなんもないんよ、なんていうかこう…オタク仲間みたいな感じだから…」と答えていたら、「不思議だけど本当になんもないやつら」、という共通認識が広まってくれたようで、最近では全くいじられることがなくなった。
 
 
 
でもほんとうになんでもないのだ。好きか嫌いかで言ったら好きだけど、今のところ恋愛のドキドキをシゲくんに対して感じたことがない。多分同居しろって言われたらできちゃうんだけど、付き合うっていうのはちょっと想像できない…と、思ってた。
 
 
 
そうも言えなくなったのは、春休みに入った2月のこと。テスト期間、「テスト終わったらごはんいこ〜〜」といつものようにLINEして、次の約束が14日になった。2月14日に二人で会うのに、さすがに何もあげないのはマズいか…。気づいてしまったからには用意しないのもかわいそうだ、そう思ってとりあえず百貨店に行き、いい感じのチョコを吟味する。既製品なのは、凝り性な料理好きにあげるのに手作りで勝負する自信もやる気もなかったからだ。気がついたら一時間くらいフロアをうろうろしていて「私はなぜシゲのためにこんなに必死にチョコを選んでいるのか??」という答えのない宇宙に迷い込みそうだったから、考えるのをやめてさっさと会計することにした。
 
店でごはんを食べ終わった後、「どうせ誰からももらってないんでしょ、私が友チョコをあげましょう、はい」って渡したのは、思考停止して選んだジャン=ポール・エヴァンの4粒入りのチョコレート。「うるさいな〜〜!でもありがたくいただきます、」って受け取って「うそ!割といいやつじゃん!友チョコなのに笑」って言ったシゲの顔は、なぜかちょっとだけ寂しそうだった。
 
 
 
 
それがずっと心に引っかかっていて、いつも通りの日々を過ごしながらも、いつも以上にシゲのことを考えてしまう。あれ、ちょっと待って、ひょっとしてわたし、シゲのこと好きだったりする?そういう目で見たことなかったけど、別にこの一年他に好きな人もいなかったし、今シゲに彼女ができて今まで通り遊べなくなったら………………………悲しい、な。
 
自分でも今更すぎてびびるのに、気づいてしまったらもうダメだった。ビラ配りながら新入生に声かけてるシゲとか、お気に入りの二眼レフ覗くときにはらりと垂れる前髪とか、全部かっこよく見えてきた。どうしよう…と思いつつも、本当に今更すぎてなにをすればいいのかもわからないし、告白する勇気なんてない。そうこうしているうちに、新歓やら新年度やらで3・4月はあっという間に過ぎていった。
 
 
 
 
 
 
5月。帰省の予定を入れる前に、シゲに予定を聞いてみることにした。いわく、実家も関東だし、別にまだ決めてないというので、『スターウォーズ一気見の会』を開くことにした。だってあのシゲがいまだに見たことないっていうから!!頑張れば一日で行ける、横で解説してあげるから見て!!って言ったら「スタハラで訴えるわ!」とか言ってたけど知ったこっちゃない。
 
GW入りたての日曜日、久しぶりのTSUTAYAで借りた大量のブルーレイを持ってシゲの家に行く。エピソード4から元気よく見せ始めたのはいいものの、前日楽しみであんまり寝れなかった寝不足がたたって、ソファで意識を失ってしまった。目が覚めたら知らないブランケットがかかっていて、テレビではエンドアの戦いが始まっている。「ごめん!私どのくらい寝てた??言い出しっぺなのに〜〜ごめん、、」って謝ったら「ん〜、30分くらい?今からちょうどいいところなんじゃないのこれ?起きてよかったわw」って言われた。それから、「でもここ一応男の家だからね」って。それどういう意味…なんて聞けるはずもなく、ちょっぴり気まずいまま、エピソード3まで見たところで解散した。
 
 
 
 
 
6月。地道に通っていた甲斐あって車の免許が取れたので、シゲに報告してみる。「ペーパーにならないように練習しなよ」と言うので、「先生!!練習付き合って!!」って言って、ドライブをセッティングした。とりあえずテンプレ的に海が見えるところがいい!とリクエストして、横浜までシゲのナビでレンタカーを走らせる。海の公園に着いたのはちょうど夕陽がきれいな時間で、これはさすがにデートみたいだなあ、なんて思っていたら「そこ立って」と言われ、振り向くとカメラを構えたシゲがいた。珍しい。シゲがサークルでポートレートを撮っているのを見たことがない。でも、なんで私の写真撮ったの?なんて聞ける勇気はやっぱりなくて。シゲの運転で帰りながら、「さっきの写真あとで送ってよ」って言うのが関の山だった。その日の夜、送られてきた写真をこっそりLINEのトプ画にしてみる。なんか言われるかもなってちょっと期待したけど、その後会話しても、シゲはなにも言ってこなかった。
 
 
 
 
7月。11日はシゲの誕生日だった。でも、普通にサークルの定例会があって、特別に誘うにはハードルが高い。結局、普通にサークルの集まりに行って、その辺で買ってきたホールケーキでみんなでお祝いして、そのまま帰るノリになった。仕方ないから、帰り際、先輩に飲みに連れて行かれそうなシゲを引き留めてプレゼントを渡した。Canon EF85mm単焦点ポピュラーすぎて使うのを避ける人がいるレベルの、ポートレートの王道レンズ。「えっほんとに…?いいの?これまあまあしない?」って、人にプレゼントの値段を聞かないでほしい。いいよあげるよ、ちなみに最安値探し回ったけど4万はしたよ!!!!!!値段の本命感と用途で気づけよなバーーーカ!!!!!!(どの口が言う)
 
 
半分ヤケになって誕生日プレゼントまであげたのに(去年はあげていなかった)、それからなんの進展もなく、大学はまたテスト期間に入った。法学部のシゲは私よりテストが大変で、基本返信なんかも遅くなる。そのはずが、私も私でレポートの山に白目を剥きながら「テスト終わったらごはんいこ」って連絡してみると、「いいよ」「31日空いてない?」という返事が秒で返ってきた。空いている。空いてるよ、誕生日だけどね……。
 
しかして通い慣れた加藤家に招かれた31日。試験の鬱憤を晴らすかのように腕を振るったらしい料理のフルコースと、居酒屋でも開くのかってレベルのバリエーション豊かな酒。食費だけでまあまあかかっていそう。これ全部、わたしのために用意してくれたのかな…とちょっと感動していたら、食後に「はい。」って小さいホールケーキが出てきて、もうダメだった。だってそんな、ベタに『誕生日おめでとう』って書いてあるケーキなんか子供の頃以来だよ。そもそもあなたそんなに甘いもの好きじゃないじゃん。絶対これにお金使いたくないじゃん。とかなんとか考えて涙をこらえきれなくなった私を見て、さすがに慌てた様子のシゲが「おーいどうした(笑)」と心配してくれた。「いや、ちょっと嬉しくて…」って言ったら「そんなことある?(笑)これで?無欲すぎるでしょ(笑)」って言うから「シゲが祝ってくれるだけで十分嬉しいもん」って言ってみた。そしたらなんだか急に困った顔で「そういうこと言われたらさあ…」なんて言い淀むから、そんなシゲを黙って見つめてみる。
 
「俺はさ、今更だけど○○のこと好き、だよ。付き合いたいなってずっと思ってた。」
 
 
 
遅いよ、何ヶ月待ったと思ってんだよ、大好きだよ。
 
 
 
 
 
ちなみに、誕生日プレゼントは中古のフィルムカメラだった。「フィルムって現像するのめんどくさくない?」って言ったら、「そこが醍醐味なんでしょ。それに、俺今度暗室作ろうと思ってるから、その都度俺んちくれば?」なんて言うからずるい。
 
 
 
わたしたちは今日から「なんでもない友達」ではなくて恋人同士になったのだけれど、特段何も変わった気がしないから不思議だ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
〜〜〜以下、もはやおまけ〜〜〜
 
 
シゲアキの親友・小山慶一郎
 
シゲの3つ上で、今は営業の仕事をしている社会人一年目。就活が終わったタイミングでシゲと同じブックカフェで働きはじめ(なお、理由は「なんかおしゃれだから」)シフト被りが多くて仲良くなったそうで、今も頻繁に会っている。始めた時期的にほぼ同期だからか、歳の差にもかかわらずタメで話している不思議な関係。現在も新入社員らしからぬ活躍で順調に社内での評価を伸ばしているらしく、それをシゲはなぜか「小山さんはそういうの得意だから」と誇らしげに語る。
 
シゲから私のことを聞いてずっと「なんで付き合わないの?」って思ってたらしい。付き合ってから一回三人で一緒に食事に行ったんだけど、キラキラした瞳で馴れ初めから聞かれてなんか相手方の親と話している気分になった。それから私は影でこっそり小山さんのことをこやママと呼んでいる。
 
内定者のときから付き合っている同期の彼女がいる(カワイイ)。飲み会で彼女が他の男子とかと仲良く喋ってると、帰ってからずるく「俺ちょっとやきもち焼いちゃったな…」とか言って自然と束縛していくタイプ、であるらしい(シゲ談)。
 
最近会うとほとんどが彼女の惚気話で「結婚した〜い」ばっかり言うらしく、それにシゲは「小山さんの結婚式には出てあげるけど俺のには来ないで」と返しているらしい。その基準なんなの???
 
 
 
 
 
 
共通の友人・手越祐也
 
私の親友と同じフットサルサークルに所属していて、シゲとはゼミが同じ、共通の友人。私は今まで出会った異性の中で一番顔がいいと思ってるんだけど、事実サークルでもゼミでも、街を歩いていても鬼のようにモテるらしい。そして大学での交友関係がバカ広い。でも私服がほとんどジャージだから惜しいんだよなあいつ、とはこれまたシゲ談。
 
ある日私が昼休みにひとりで講義の席取りがてらご飯食べてたら「○○ちゃんだよね!シゲと付き合ってんの?」って単刀直入に聞かれてサンドイッチで窒息死しそうになった。「いや、みんなから仲いいって聞くから!シゲも変なやつだな〜、俺だったら絶対もう告ってるのに!」って言われて、じゃあ告白されないってことはそういうことなんだよな…とちょっと落ち込んだのも今となっては懐かしい。
 
一方のシゲもゼミで会うたびに「ねぇねぇ付き合った?」って聞かれるのが常だったらしく、「マジでそれで好きじゃないってありえなくない??そんだけ仲良くしてたら絶対相手気があるって思うでしょ、それでちゃんとけじめつけないの男としてどうなん??シゲは○○ちゃんが他に男作ってもいいの???」とか好き勝手言われ、若干イラッとしつつもそれからアプローチしようと思うようになったそうなので、手越くんはわたしたちのキューピッドだった説がある。
 
 
 
 
 
 
初恋の人・増田貴久
 
学区は違かったけど、私の小学校の男子と同じスポーツクラブに入っていて、しょっちゅう一緒に遊んでいた隣の小学校の貴くん。空き地で野球しててボールが隣の家の敷地に入っちゃった時、いつも一番最初に謝りに行くのが貴くんで、そういうところかっこいいなあと思って見てた。
 
そんな貴くんに告白されて付き合うことになったのは中学校に上がった頃。夏生まれの私の誕生日に貴くんがくれたのは、中学生にしてはちょっと背伸びしたブランドのTシャツで、オーバーサイズのそのTシャツが当時の私の一番お気に入りの服だった。結局一年経たずに別れてしまったけれど、そのプレゼントだけは捨てられずに、今も実家のタンスの中にある。
 
あのとき「○○のために服選ぶの楽しかった」って笑ってた貴くんは高校卒業と同時にスタイリストの道を進み、すでにアイドルのステージ衣装を作ったり雑誌にもちょくちょく顔出しで登場したりするような若手モデル兼スタイリストとして活躍している。この間雑誌の表紙に名前を見つけて立ち読みしたら、あの時くれたTシャツのブランドの春夏コレクションの話をしていて、もしかしたら貴くんもわたしのこと忘れてないのかも、とどきっとしてしまった。もう連絡先も知らない、遠い存在なのに、まだあのTシャツでつながっているような気がしてしまう、不思議なひと。
 
 
 
 
 
 
 
 
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………これ、一年後くらいに読み返して死にたくなるやつなのでは???
そんなことない??????
 
 
 
 
とりあえずこの世界線で生まれ変わるように徳を積むしかない!気が向いたらシゲくんとの続きを書きます✌️